つれづれなるままの数学(算数)素数GPSの周辺 iPhoneとAndroid 366 aps

数学(算数)・素数にまつわる話題から、やや専門的な「整数論」「数論幾何学」「代数幾何学」のような話題。「フェルマーの最終定理」、「ポアンカレ予想」の解決の「証明」の理解など、夏休みの研究の話題など、小中高から一般までの話題、「ABC予想」、「リーマン予想」の周辺など 「志村多様体」「保形表現」

数学 「ポアンカレ予想」 など

数学(算数)・素数にまつわる話題から、やや専門的な「整数論」「数論幾何学」「代数幾何学」のような話題。「フェルマーの最終定理」、「ポアンカレ予想」の解決の「証明」の理解など

夏休みの自由研究・読書感想文用:「ポアンカレ予想」の研究  (数学・数理科学分野) (「ポアンカレ予想の証明」の理解へ)

夏休みの自由研究・読書感想文用:「ポアンカレ予想」の研究  (数学・数理科学分野) (「ポアンカレ予想の証明」の理解へ)

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=キーワード = 
100年、「やわらかい図形」  、「球体」、「ドーナツ」、トポロジー  、位相幾何学、微分幾何学、宇宙、非ユークリッド幾何学、多様体、リーマン幾何学、リッチテンソル、リッチ曲率、3次元のみ、リッチ・フロー方程式、偏微分方程式(放物型など)、「手術」、ガウス、オイラー、リーマン、クライン、ポアンカレ、スメイル、フリードマン、「サーストンの幾何化予想」、「3次元多様体の分解」、「ハミルトンのリッチフロー方程式」、「3次元多様体にリーマン計量を入れる」、「非局所崩壊定理」、「リッチフローの三次元多様体への応用」 、ペレルマン、「サーストンの幾何化予想」の解決、日本人など
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「ポアンカレ予想」の面白さは、まず「絵や図や写真」で楽しめる!(数学や物理的に難しくても「そこは後回しして」すべての「絵や図や写真」をまず、見てみよう!
 
 
まず、「ポアンカレ予想」を絵で楽しもう!
「ポアンカレ予想」入門 を絵・図理解?  (宇宙のかたち ‒ 数学からのチャレンジ)

NHKのオンデマンドで入門1
「ハイビジョン特集 数学者はキノコ狩りの夢を見る ~ポアンカレ予想・100年の格闘~」

NHKのオンデマンドで入門2
「NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか ~天才数学者 失踪(しっそう)の謎~」

ポアンカレ予想とリッチフロー  数学入門公開講座テキスト(まず、絵や図のみ鑑賞しよう!)

サーストン􏰅3次元多様体論 小島定吉 市民講演会(ポアンカレ予想も)
https://mathsoc.jp/outreach/2018haru/kojima20180317.pdf

ポアンカレ予想 (数学的な専門的なものである?) (初心者も「図や絵や写真」を楽しもう!)


ポアンカレ予想 (物理的に専門的なものある?)(初心者も「図や絵や写真」を楽しもう!)

トポロジー入門 (初心者も「図や絵や写真」を楽しもう!)

ポアンカレ予想はいかにして解決されたか  

ポアンカレ予想 解説 
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=おすすめ書籍 8冊   (初級者3冊・中級者5冊・上級者3冊)=
初心者のための「ポアンカレ予想」から やや専門書 3次元リッチフローと幾何学的トポロジー  戸田 正人著 (「ポアンカレ予想の証明」の理解へ)

=初級・中級者用=(3冊)
数学ガール/ポアンカレ予想 (「数学ガール」シリーズ6) - 結城 浩 単行本 ¥2,052
ポアンカレ予想 (新潮文庫) - ドナル オシア 文庫 ¥853 糸川 洋 (翻訳) (数学史的な・・)
(ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者 (ハヤカワ文庫 NF 373 〈数理を愉… - ジョージ G.スピーロ 文庫 ¥972)

=中級・プレ上級者用=(2冊)
低次元の幾何からポアンカレ予想へ〜世紀の難問が解決されるまで〜 数学への招待シリーズ  市原一裕(著) ¥1,706
3次元の幾何学 小島定吉 (講座 数学の考え方〈22〉)単行本  ¥3,888

=上級者用(数学専門家)=(2冊)
3次元リッチフローと幾何学的トポロジー  戸田 正人(著)  (共立講座 数学の輝き) ¥4,860
(リッチフローと幾何化予想 (ポアンカレ予想へ) 数理物理シリーズ 小林 亮一/著   培風館)
数学専門化=研究者を志す大学院生やある程度の予備知識をもつ数学者を念頭

=上々級 数学者用(直接論文に)ペレルマン氏の論文=
[P1] G.Perelman, The entropy formula for the Ricci flow and its geometric applications, arXiv: math/0211159.
[P2] –––– , Ricci flow with surgery on three-manifolds, arXiv: math/0303109.
[P3] –––– , Finite extinction time for the solution to the Ricci flow on certain three manifolds, arXiv: math/0307245.

この証明に使われたのが「サーストンの幾何化予想」と「ハミルトンのリッチフロー方程式」だ。前者は純粋にトポロジー(数学)だが後者は熱方程式(物理学)に類似する。数学と物理の2つの世界を対比することでペレルマンは証明を完成することができた。

(偏微分方程式の「参考文献」は、文末に)
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参考
「ポアンカレ予想」入門 を絵・図理解?  (宇宙のかたち ‒ 数学からのチャレンジ)


無料公開:3次元多様体入門(培風館): 森元勘治 (数学の専門知識が不足している人用)
 
完全なる証明 100万ドルを拒否した天才数学者 (文春文庫) 文庫 – 2012/4/10 マーシャ ガッセン  (著), Masha Gessen (原著), 青木 薫 (翻訳)  ¥812( 天才数学者に「視点」 ロシアの社会史的な・・・)

100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (新潮文庫) 文庫 – 2011/5/28 春日 真人  (著)529円

「トポロジカル宇宙(完全版):根上生也著」
 
///(数学の専門知識が不足している人用 「位相幾何学(トポロジー)」と「微分幾何学」)

幾何学的トポロジー (共立講座 21世紀の数学) - 本間 龍雄 単行本 ¥4,104(数学の専門知識が不足している人用)

幾何学〈1〉多様体入門 (大学数学の入門) - 坪井 俊(著)¥2,808(数学の専門知識が不足している人用)
幾何学〈2〉ホモロジー入門 (大学数学の入門) - 坪井 俊(著)¥2,808
幾何学〈3〉微分形式 (大学数学の入門) - 坪井 俊 (著)¥3,780
 
位相幾何学(トポロジー) (数学シリーズ) 加藤 十吉 (著)¥4,104(数学の専門知識が不足している人用)
 
微分幾何学 (大学数学の世界1) - 今野 宏(著)¥3,888(数学の専門知識が不足している人用)

(リーマン幾何学の「参考文献」は、文末に)
///(数学 基礎 トポロジー入門) 
「トポロジーとは、微分幾何とは・・」の基礎を理解したい人 
● 本間龍雄・岡部恒治 著「微分幾何とトポロジー入門」基礎数学叢書6,新曜社. 基本的な話題を手際良く解説.

トポロジー入門
● 松本幸夫 著「トポロジー入門」岩波書店.
トポロジー (位相幾何学) の標準的な教科書.
● 小島定吉 著「トポロジー入門」21世紀の数学7,共立出版
トポロジー (位相幾何学) の標準的な教科書.
● 田村一郎 著「トポロジー」岩波全書,岩波書店. 3角形分割やホモロジーに詳しい.
● 河田敬義 編「位相幾何学」現代数学演習叢書2,岩波書店.
古いが,よい演習書.
● C. Kosniowski, A first course in algebraic topology, Cambridge Univ. Press.1980.  トポロジー (位相幾何学) の標準的な教科書.

トポロジー入門 (初心者も「図や絵や写真」を楽しもう!)

(偏微分方程式の「参考文献」は、文末に)
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初心者のための「ポアンカレ予想」


「数学的に厳密ではないが、たとえて言えば、宇宙の中の任意の一点から
 長いロープを結んだロケットが宇宙を一周して戻ってきて、
 ロープの両端を引っ張ってロープを全て回収できた場合、
 宇宙の形は概ね球体(=ドーナツ型のような穴のある形、ではない)と
 言えるのか、という問題である」

この「ポアンカレ予想」
を解くことによって「宇宙の形」なるものに迫ることが出来たようです。
その結果、物の形は8種類の組合せで作られていることが分かったのです☆

そのうち「おおむね丸い」のは1つだけ。
あとの7つは「ドーナッツタイプ」です。
そして、宇宙を構成している部分に、球体以外の形が一つでも含まれている
場合はロープを回収することは出来ないと分かったのです。
従ってロープが回収出来た時この宇宙は『おおむね丸い』と言えるわけです。


 ※ちなみにその8種類とは

 1:球体
 2:ドーナツ形
 3:内側に折り返せない横の輪のあるドーナツ形
 4:外側に折り返せない横の輪のあるドーナツ形
 5:内側に折り返せない縦の輪のあるドーナツ形
 6:外側に折り返せない縦の輪のあるドーナツ形
 7:クラインの壷
 8:折り返せない縦の輪のあるクラインの壷


この問題を解くのに100年かかり、それは1億円級の問題であったわけです。
なお、証明には熱量・エントロピーなどの物理的な用語が登場したのですから驚きです。

さて、この栄誉を手に入れたペレルマンでしたが、
フィールズ章受賞は辞退。
賞金1億円も受け取ろうとしません。
現在は故郷で母親と、わずかな貯金と母親の年金を頼りに細々と生活しているそうで、消息もハッキリしない。
明るい性格は影を潜め、別人になってしまったと言われます。

ああ、この100年かけて解いた「ポアンカレ予想」とは結局
何だったのでしょう?
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以下、書籍
 
数学ガール/ポアンカレ予想 「数学ガール」シリーズ  結城浩
 
あなたへ
プロローグ
第1章「ケーニヒスベルクの橋」
第2章「メビウスの帯、クラインの壺」
第3章「テトラちゃんの近くで」
第4章「非ユークリッド幾何学」
第5章「多様体に飛び込んで」
第6章「見えない形を捕まえる」
第7章「微分方程式のぬくもり」
第8章「驚異の定理」
第9章「ひらめきと腕力」
第10章「ポアンカレ予想」
エピローグ
あとがき
参考文献と読書案内

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2018年1月6日 低次元の幾何からポアンカレ予想へ〜世紀の難問が解決されるまで〜 数学への招待シリーズ  市原一裕(著)

低次元の幾何からポアンカレ予想へ〜世紀の難問が解決されるまで〜 数学への招待シリーズ  市原一裕(著) 

「ポアンカレ予想」の「証明」理解の導入
低次元の幾何からポアンカレ予想へ ~世紀の難問が解決されるまで~ (数学への招待) - 市原 一裕 単行本 ¥1,706


おすすめコメント
メビウスの帯、クラインの壺、オイラーの多面体定理、ポアンカレ予想など有名な例をとりあげ、多様体の魅力に迫ります。ポアンカレ予想は位相幾何学の予想の1つですが、きちんと理解しようとすると3次元の壁にぶつかり、あきらめてしまうひともいるようです。本書では、身近な例を豊富に使って親近感がわくように説明します。多面体や次元がイメージできるようになるでしょう。

<項目例>物の形と世界の形との違い/1次元多様体/2次元多様体(ロールプレイングゲームの舞台)/向き付け不可能な2次元多様体(メビウスの帯、クラインの壺)/オイラーの多面体定理とオイラー標数/3次元球面/3次元多様体の「向き」/ポアンカレ予想
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目次
第1章 ポアンカレ予想(宇宙の形と3次元多様体;次元とは ほか);
第2章 多様体の幾何構造(サーストンの幾何化予想とは;曲面の幾何化 ほか);
第3章 サーストンの幾何化予想(定曲率幾何構造;直積幾何構造 ほか);
第4章 ペレルマンの証明(リーマン計量;曲率とリッチ曲率 ほか);
付録 非ユークリッド幾何について(球面幾何について;双曲幾何について)
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巻頭 ポアンカレ予想に関わる図形たち
はじめに

第1章 ポアンカレ予想
- 宇宙の形と3次元多様体
- 次元とは
- 多様体とは
- 3次元球面とは
- 閉多様体とは
- 基本群とは

第2章 多様体の幾何構造
- サーストンの幾何化予想とは
- 曲面の幾何化
- 1次元の幾何化

第3章 サーストンの幾何化予想
- 定曲率幾何構造
- ねじれ積の幾何構造
- 8つの幾何学
- 幾何化予想とは
- 幾何化予想からわかること

第4章 ペレルマンの証明
- リーマン計量
- 曲率とリッチ曲率
- ハミルトンとリッチ・フロー方程式
- ハミルトンの定理と残された問題
- ペレルマンが示したこと

付 録 非ユークリッド幾何について
- 球面幾何について
- 双曲幾何について

読書案内
あとがき
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市原 一裕 (イチハラ カズヒロ)  
日本大学文理学部数学科教授。1972年生まれ。専門は、低次元位相幾何学、特に三次元多様体論、および数学教育学
主な著書『ひらいてわかる線形代数』(共著、数学書房、2011年)、教科書執筆『高等学校「数学」』(数研出版)、論文“Exceptional surgeries on alternating knots"など。
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第1章「ポアンカレ予想」では、次元や多様体、3次元球面、閉多様体、基本群の解説をしながらポアンカレ予想とはどういう意味なのかが明らかにされる。

第2章「多様体の幾何構造」ではまずサーストンの幾何化予想の意味が解説され、曲面や1次元の多様体を取り上げて「幾何化する」ということがどういうことなのかを理解することができる。幾何化できない多様体もあるのだ。次の図でKはガウス曲率。


球面
球面幾何構造
K=1

トーラス
ユークリッド幾何構造
K=0

種数2以上の曲面
双曲幾何構造
K=-1



第3章「サーストンの幾何化予想」が本書でいちばん難しく、そして重要だ。3次元多様体は無限にあるのに、断片は8種類に限られる。8つのの断片は、物理に例えれば原子、数に例えれば「素数」のような存在だ。なぜ8つに限られるのかが一般の人には不思議である。



この章では定曲率の幾何構造、直積幾何構造、ねじれ積の幾何構造を紹介し、最大で8つの幾何学しか考えられないことが解説される。これらの幾何学からサーストンが提示した幾何化予想がどのようなものなのか理解できるようになる。

たとえば直積幾何構造の説明では2次元トーラスと3次元トーラスは、このような図を使って説明されている。両側矢印で対応づけられる辺と辺、面と面は同一視して考える。



そして本書で紹介される直積幾何構造は、まず9種類求められ、そのうち1つが除外されることになる。(上の8つの断片の図と割当てられている英文字が違うが、図と表の英文字の対応関係はコメントとしてhさんからいただいた説明を参照していただきたい。)
サーストンの幾何化予想 (8つ) 3次元

図表
サーストンの幾何化予想 3次元 9つ?

第4章「ペレルマンの証明」も読みごたえがある。リーマン計量やガウス曲率、リッチ曲率などを解説した後、ハミルトンが考案した「3次元多様体にリーマン計量を入れる」というアイデアが紹介される。リーマン計量を少しずつ変形していく過程で使われるのが「リッチ・フロー方程式」である。


巻頭にはホワイトヘッド絡み目、双曲正12面体、3次元球面のねじれ積(ホップ・ファイブレーション)、トーラス結び目、ザイフェエルト多様体、8の字結び目、リッチ・フローの様子などがカラーの美しいCGで紹介されている。

また、本文では次のような多様体や概念が紹介、解説されている。本書のレベルがおわかりになると思う。

ホワイトヘッド多様体、ポアンカレ12面体、レンズ空間、ザイフェルト・ウィーバー12面体、ファイバー束、ホップ・ファイブレーション、ザイフェルト多様体、デーン・ツイスト、Solv幾何学、サーストン幾何、サーストンの怪物定理、実質的ファイバリング予想、連結和分解、JSJ分解、トーラス分解定理、本質的トーラス、圧縮円盤、圧縮不可能曲面、8の字結び目、ハーケン多様体、デーンの補題、リーマン計量、リーマン多様体、ガウス曲率、曲率テンソル、リッチ曲率、リッチ・フロー方程式、アインシュタイン多様体、ハミルトンの定理、ネック・ピンチ、特異点、手術、単射半径、シガー・ソリトン、局所非崩壊定理、標準近傍定理、エントロピー、手術付きリッチ・フロー、有限時間消滅定理、グラフ多様体、アレクサンドロフ空間


ポアンカレ予想を証明したペレルマンが2002年と2003年に「リッチフローの三次元多様体への応用」として掲載した論文は一般公開されている。以下のアドレスをクリックするとPDFで読むことができる。(理解しろという意味で紹介したわけではない。)

ペレルマンによる論文ではないが「リッチフローによるポアンカレ予想と幾何化予想の完全な証明」も以下のPDFファイルで読める。(こちらは328ページもある)

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2003年に証明された「ポアンカレ予想」が話題になったのは2007年に放送された「ハイビジョン特集 数学者はキノコ狩りの夢を見る ~ポアンカレ予想・100年の格闘~」や「NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか ~天才数学者 失踪(しっそう)の謎~」がきっかけで、ポアンカレ予想は一般の人にも知られるようになった。

100年もの間、数学者たちを悩ませ続けた超難問だから一般人が証明を理解するのはもちろん不可能だ。どのような意味なのか、証明の流れを大まかにつかむだけでよいのなら話は違う。そのための教養書がいくつか刊行されていて、先日紹介した「数学ガール/ポアンカレ予想 : 結城浩」も、そのうちのひとつだ。

ポアンカレ予想を証明する鍵になったのが「サーストンの幾何化予想」と「ハミルトンのリッチ・フロー方程式」だ。「数学ガール/ポアンカレ予想」では最終章で24ページを割いて説明している。

今回紹介する「低次元の幾何からポアンカレ予想へ : 市原一裕」は「サーストンの幾何化予想」と「ハミルトンのリッチ・フロー方程式」、「ペレルマンによるポアンカレ予想の証明」を数学者の市原先生が、より詳細かつ具体的、視覚的に解説をした本なのだ。数学の教養書の中ではかなり難しいほうだが、一般の読者でもなんとかついていくことができる。特に「サーストンの幾何化予想」の部分が全体の7割を占めており、一般読者に対してこれだけ詳しく解説した本は他にはないと思う。

とはいえ、論理的整合性を保ちつつすべてを説明し尽くすのは無理だったようだ。「この部分の説明は省略させていただきます。」とか「~のようなものだと思ってください。」のように説明を断念してしまっている箇所がかなり目につく。

それでも不満に思ったり、がっかりする必要はない。詳しく説明されている部分だけでもじゅうぶん難しく知的興奮が味わえるから、省略されても「ここまで説明してくれているのだから十分だ。」と思えてくるからだ。難しいところは次元を1つ下げて解説をしたりして、可能なかぎり具体的にたくさんのことを説明したいという先生のお気持が伝わってくる。
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「ハイビジョン特集 数学者はキノコ狩りの夢を見る ~ポアンカレ予想・100年の格闘~」

「NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか ~天才数学者 失踪(しっそう)の謎~」

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幾何化予想
リッチフロー
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「ポアンカレ予想」解決への歴史
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1904年にフランスの数学者アンリ・ポアンカレによって提出された。

単連結な3次元閉多様体は3次元球面に同相であると予想した



3(n)次元閉多様体とは

閉多様体とはコンパクトで境界のない多様体である

ここでいうコンパクトとは位相的に極めて重要な性質の1つである

またn次元球面s^nとは



のことで我々の認識している球面は2次元球面s^2のことである

ポアンカレ予想はn次元に一般化することが可能である


研究の推移

n=2:古典的な結果として既知であった

n≥5:スティーヴン・スメイルによって(1960年)証明された。

n=4:マイケル・フリードマンによって(1981年)証明された

n=3:ウィリアム・サーストンの幾何化予想をしその役割は大きい

そして、

2002年から2003年に掛けてロシア 人数学者グリゴリー・ペレルマンはこれを証明したとする複数の論文をarXivに掲載

グリゴリー・ペレルマンの解法はリチャード・ストレイト・ハミルトンが創始したRicci flowの理論に「手術」と呼ぶ新たな手法を付け加えて拡張し、サーストンの幾何化予想を解決してその系(微分幾何学と物理学の手法をもちいて)としてポアンカレ予想を解決した(と宣言した)

これらの論文について2006年の夏頃まで複数の数学者チームによる検証が行わ れた結果、現在では彼が実際に証明に成功したと考えられている。ペレルマンはこの業績 によって2006年のフィールズ賞を受賞した(ただし本人は受賞を辞退した。)
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3次元の幾何学 小島定吉 (講座 数学の考え方〈22〉)単行本  ¥3,888

1. 多面体を貼り合わす
 1.1 多角形
 1.2 多面体
 1.3 多様体について
2. かどをとる(幾何化)
 2.1 幾何学ショートコース
 2.2 閉曲面上のサークルパッキング
 2.3 3次元の幾何化
3. 3次元双曲多様体
 3.1 SL(2,C)
 3.2 双曲多様体
 3.3 細い部分
 3.4 幾何化予想
4. 体積をめぐって
 4.1 体積
 4.2 SL(2,C)特性数
 4.3 結び目の量子不変量
 4.4 体積予想
5. 索引
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3次元の幾何構造「幾何化」700
 

サーストン:次元のクライン幾何は次の 種類である.
– 2 次元のクライン幾何と 次元クライン幾何の積 (3 種類) :
• 2次元幾何と直線の積S×R.
• 次元ユークリッド空間 R3.
• 2次元双曲幾何と直線の積H×R.
– 2 次元のクライン幾何と 次元クライン幾何の積をねじったもの (3 種 類) :
• 3次元球面幾何S3.
• 冪零幾何.

􏰀
• PSL(2R).

– 3次元特有の幾何(2種類) :
• 可解幾何.
• 3次元双曲幾何H3.


低次元の直交群のトポロジー
 
低次元の実直交群は良く知られた位相空間と同相である。
 
O(1) = S^0, 2点からなる離散空間
SO(1) = {1}
SO(2) は S^1
SO(3) は RP^3(=射影空間)
SO(4) は SU(2) × SU(2) = S^3 × S^3 に二重被覆される


モデルには、3次元球面 S3、3次元ユークリッド空間 E3、3次元双曲空間 H3 という等張的で等長な 3つのモデルと、5つの等質的ではあるが等長性を持たない異種リーマン多様体がある。
(これは 3-次元実リー代数の 9つのクラスへの分類であるビアンキ分類と密接に関連しているが同一ではない。)
3次元空間の幾何化定理 700

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2017年3月23日 3次元リッチフローと幾何学的トポロジー  戸田 正人著 (「ポアンカレ予想の証明」の理解へ)



ペレルマンがサーストンの幾何化予想を解決してからすでに10年が経ち,その手法はすでに幾何学の基礎になりつつある。本書ではその手法を最小限の知識を前提として解説することを試みた。
直接解決に用いられたリッチフローの解析について述べるだけでなく,予備知識がない読者でも幾何化予想の内容を無理なく理解できるよう最初にページを割いて3次元多様体論,とくに幾何構造と標準分解について述べた。リッチフローに関しては最大値原理やコンパクト性定理など基本定理について初歩から論じ,これらの準備のもとにペレルマンの主要なアイデアを解説していく。また原論文を読もうとする意欲ある読者の指針となるように,最後に予想の解決の技術的な議論を概観した。
/////

第1章 幾何構造と双曲幾何
1.1 幾何構造の一般論
1.2 双曲モデルと双曲変換
1.3 双曲三角形の比較定理
1.4 多面体による構成
1.5 体積有限双曲多様体の構造
1.6 ファイバー束の幾何構造
1.7 幾何モデルの分類

第2章 3次元多様体の分解
2.1 PL-構造と微分構造
2.2 3次元多様体内の曲面
2.3 Heegard 分解と素因子分解
2.4 ループ定理と球面定理
2.5 ザイフェルト多様体
2.6 JSJ-分解
2.7 幾何化予想

第3章 リッチフローの基本定理
3.1 方程式と特殊解
3.2 初期値問題
3.3 最大値原理の一般論
3.4 最大値原理の応用
3.5 ヤコビ場の評価
3.6 局所評価
3.7 コンパクト性

第4章 リッチフローの特異性
4.1 局所L-幾何
4.2 局所非崩壊定理
4.3 共役熱方程式とL-幾何
4.4 リーマン幾何からの準備
4.5 非負曲率空間の幾何
4.6 κ解の性質
4.7 κ解の分類
4.8 標準近傍定理
4.9 特異時刻における連結和分解
4.10 長時間挙動

付録 ファイバー束と接続

参考文献/索引
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第1章 幾何構造と双曲幾何
1.1 幾何構造の一般論/1.2 双曲モデルと双曲変換/1.3 双曲三角形の比較定理/1.4 多面体による構成/1.5 体積有限双曲多様体の構造/1.6 ファイバー束の幾何構造/1.7 幾何モデルの分類
第2章 3次元多様体の分解
2.1 PL-構造と微分構造/2.2 3次元多様体内の曲面/2.3 Heegard分解と素因子分解/2.4 ループ定理と球面定理/2.5 ザイフェルト多様体/2.6 JSJ-分解/2.7 幾何化予想
第3章 リッチフローの基本定理
3.1 方程式と特殊解/3.2 初期値問題/3.3 最大値原理の一般論/3.4 最大値原理の応用/3.5 ヤコビ場の評価/3.6 局所評価/3.7 コンパクト性
第4章 リッチフローの特異性
4.1 局所L-幾何/4.2 局所非崩壊定理/4.3 共役熱方程式とL-幾何/4.4 リーマン幾何からの準備/4.5 非負曲率空間の幾何/4.6 κ解の性質/4.7 κ解の分類/4.8 標準近傍定理/4.9 特異時刻における連結和分解/4.10 長時間挙動
付録 ファイバー束と主束の接続

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備忘録


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ポアンカレ予想 (新潮文庫) - ドナル オシア 文庫 ¥853 糸川 洋 (翻訳) 

内容説明
1904年、フランスの数学者アンリ・ポアンカレにより提出された世紀の幾何学難問。「宇宙の形は球体と証明できるのではないか?」様々な数学者が挑み続け、ついにグリゴリー・ペレルマンが論文を発表した。およそ100年の時を経て果たされた「ポアンカレ予想」の証明。そこに至る数学を歴史的にひもときながら学べる入門書。

目次
二〇〇三年四月、ケンブリッジ
地球の形
あり得る世界の形
宇宙の形
ユークリッドの幾何学
非ユークリッド幾何学
リーマンの教授資格取得講演
リーマンの遺産
クラインとポアンカレ
ポアンカレの位相幾何学の論文
ポアンカレの遺産
ポアンカレ予想が根づくまで
高次元での解決
新ミレニアムを飾る証明
二〇〇六年八月、マドリード

著者等紹介
オシア,ドナル[オシア,ドナル] [O’Shea,Donal]
1953年カナダ、セントジョン生れ。アメリカ・ハーバード大卒業後、カナダのクイーンズ大学にて数学博士号を取得。現在はアメリカのフロリダ・ニューカレッジ学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
出版社内容情報
「宇宙の形はほぼ球体」!? 百年の難問ポアンカレ予想を解いた天才の閃きを、数学の歴史ドラマで読み解ける入門書、待望の文庫化。

1904年、フランスの数学者アンリ・ポアンカレにより提出された世紀の幾何学難問。「宇宙の形は球体と証明できるのではないか?」さまざまな数学者が挑み続け、ついにグレゴリー・ペレルマンが論文を発表した。およそ100年の時を経て果たされた「ポアンカレ予想」の証明。そこに至る数学を歴史的にひもときながら学べる入門書、待望の文庫化! 『ポアンカレ予想を解いた数学者』改題。
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ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者 (ハヤカワ文庫 NF 373 〈ジョージ G.スピーロ 文庫 ¥972

現代数学を代表する分野、トポロジーを独力で創りあげた天才数学者が遺した、ポアンカレ予想。並みいる数学者たちがそれに立ち向かっては敗れ、いつしかそれは100万ドルが掛けられる難題とみなされていた。しかし経験と知識は蓄積され、100年が経ち、リッチ・フローという武器をひっ下げた、謎めいた数学者ペレルマンが大胆不敵な解答を示したが、数学界はさらなる激震に襲われる…知に汗握る出色の数学ノンフィクション。

目次 : 
王にふさわしい偉業
ハエにわかってアリにわからないこと
技師は真実を究明する 
ポアンカレへの褒賞
ユークリッド抜きの幾何学
ハンブルクからコペンハーゲンへ、そしてノースカロライナ州ブラックマウンテンへ
あの予想の意図
袋小路と謎の病気
高次元への旅
ウェストコースト風の異端審問
消える特異点、消えない特異点
葉巻の手術
四人組プラス2
もうひとつの賞

【著者紹介】
ジョージ・G・スピーロ : スタンフォード大学でMBAを取得、ヘブライ大学で数理経済学の学位を取得。現在はスイス系日刊紙の特派員をつとめる科学ジャーナリストにして数学者

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参考 PDF
無料公開:3次元多様体入門(培風館): 森元勘治

3次元多様体入門


第1章:単体的複体と単体写像
第2章:組合せ多様体
第3章:1次元多様体と2次元多様体
第4章:基本的な3次元多様体
第5章:ハンドル体の特徴づけ
第6章:ヒーガード分解
第7章:ヒーガード図式と基本群の表示
第8章:レンズ空間
第9章:積多様体のヒーガード分解
第10章:連結和
第11章:ヒーガード分解と連結和
第12章:デーンの補題,ループ定理,球面定理
第13章:圧縮不可能曲面
第14章:自由群と自由積
第15章: S~1 上の曲面束
第16章:曲面上の S~1 束
第17章:ザイフェルト多様体
第18章:トーラス分解
付録:トーラスの写像類群
参考文献・あとがき
電子版 あとがき(ポアンカレ予想の解決)
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参考

「トポロジカル宇宙(完全版):根上生也著」の内容を目次で紹介しておく。

第1章:宇宙の形とは?
七次元人との会見
二次元人の悲劇
果てがないのに有限!
各人が天球を持っている
百億のニューロンたちよ!

第2章:丸い宇宙とは?
大航海時代を経て
宇宙が丸いということは
二つの天球を持つ宇宙
コンパスが描く宇宙
四次元空間を見る
三次元球面宇宙の正体
新たな旅立ちへ

第3章:宇宙儀製造計画
宇宙儀を作ろう
宇宙を縮小する
なぜ地球儀は机の上にあるのか
宇宙の展開図を作る
トーラス宇宙の場合
宇宙を半分にする
宇宙儀の完成

第4章:第ニ期大航海時代
思考エンジン、始動!
地球は本当に丸かったのか?
空間に開いた穴
ブラックホールに突入!
見えない穴の正体
消滅する宇宙の穴
宇宙の形の判定

第5章:そして、宇宙の果てへ
初めて日本の形を見た男
宇宙に潜む流れを探せ!
たばたば空間の拡大
繰り返しの宇宙
エッシャー宇宙
宇宙の果てはトーラスだった
君も、間宮林蔵となれ!

第6章:第ニ千年紀を迎えて
ポアンカレ予想が解けた!
数学は生きている
フィールズ賞とミレニアム懸賞問題
空間の曲率を均していくと
特異点を手術する
最終到達地点

封印の章
七次元人の残した言葉
三次元宇宙を七次元宇宙に納める
新たな覚醒を目指して
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  8つ サーストンの幾何化予想 3次元
リッチフローと幾何化予想 (数理物理シリーズ)  (まず、絵や図のみ鑑賞しよう!)
小林 亮一(著)/ 土屋 昭博(共編)/ 砂田 利一(共編)
 
リッチフローと幾何化予想 (数理物理シリーズ) 単行本 小林 亮一 (著) (ポアンカレ予想の「証明」の理解へ)培風館

記法・公式・定理のまとめ
0.オーバービュー
0.1 幾何化予想
0.2 ハミルトンプログラム
0.3 ペレルマンによるリッチフローへのアプローチ
 
Part Ⅰ   リッチフローの基礎理論・Wエントロピー・簡約体積関数とその応用
1.リッチフローの基礎事項
1.1 リッチフローの定義
1.2 短時間存在と一意性
1.3 リッチソリトン
1.4 共役熱作用素とリッチフローの特徴づけ
1.5 曲率テンソルの時間発展
1.6 最大値原理
2.テンソルに対する最大値原理と3次元リッチフローのピンチング
2.1 テンソルに対する最大値原理
2.2 非負リッチ曲率は3次元完備曲率有界なリッチフローで保たれる
2.3 正のリッチ曲率をもつ3次元多様体のピンチング
2.4 3次元閉多様体上のリッチフローのピンチングに関するハミルトン・アイビーの定理
3.リッチフローの曲率の局所勾配評価とリッチフローの列の幾何収束
3.1 シィの局所勾配評価
3.2 リッチフローの列の幾何収束
4.リッチフローの勾配流解釈とその応用
4.1 リッチフローの勾配流解釈とブリーザー解の非存在
4.2 非局所崩壊定理
4.3 統計的解釈
5.リーマン幾何的熱浴.L幾何.ハルナック不等式
5.1 リーマン幾何的熱浴
5.2 ペレルマンのL幾何とハミルトンのハルナック不等式
6.伝播型非局所崩壊定理.微分形の単調性公式.擬局所性定理
6.1 リッチフローのもとでの距離関数の変化
6.2 非局所崩壊定理4.2.4の弱形の別証明
6.3 伝播型非局所崩壊定理
6.4 単調性公式の局所化とその応用
6.5 W汎関数と共役熱方程式の基本解によるリッチフローの弱い意味での特徴づけ
7.κ解−非負曲率作用素をもちκ非崩壊な古代解
7.1 κ解の漸近ソリトン
7.2 漸近スカラー曲率比と漸近体積比
8.3次元κ解
8.1 3次元κ解の集合のコンパクト性
8.2 3次元κ解の構造
9.3次元リッチフローの標準近傍定理
9.1 標準近傍定理
9.2 標準近傍定理の局所版と前方および後方曲率評価

Part Ⅱ   幾何化予想の解決
 
10.いろいろな定義・記号
11.3次元κ解の分類
11.1 漸近ソリトンの分類
11.2 κ解の分類
12.R3の標準解
12.1 標準帽化シリンダー計量
12.2 R3の標準解の性質
13.最初の特異時刻におけるリッチフロー解の構造
13.1 極限リーマン多様体
13.2 極限リーマン多様体の構造
14.カットオフつきリッチフロー
14.1 極限計量におけるε角部の長さ
14.2 カットオフつきリッチフローの定義
14.3 標準近傍半径とカットオフ半径
14.4 カットオフつきリッチフロー
15.カットオフつきリッチフローにおけるピンチング条件と標準近傍条件
15.1 カットオフつきリッチフローにおけるピンチング条件
15.2 カットオフつきリッチフローにおける標準近傍条件
16.カットオフつきリッチフローの長時間における振舞い(Ⅰ)
16.1 初期計量のスカラー曲率が非負の場合
16.2 スカラー曲率が負の領域がいつまでも残る場合
17.カットオフつきリッチフローの長時間における振舞い(Ⅱ)
17.1 双曲計量への収束
17.2 広部−狭部分解
17.3 体積有限完備双曲多様体の剛性と広部の安定性
17.4 広部の境界に現れるトーラスの非圧縮性
17.5 グラフ多様体
18.カットオフつきリッチフローにおける作用素−4Δ+Rの第1固有値
18.1 カットオフつきリッチフローの作用素−4Δ+Rの第1固有値
18.2 スペクトル不変量と3次元閉多様体の位相型

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上級者用の参考資料
ポアンカレ予想とリッチフロー  数学入門公開講座テキスト
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備忘録
ポアンカレ予想―世紀の謎を掛けた数学者、解き明かした数学者 (ハヤカワ文庫 NF 373 〈数理を愉… - ジョージ G.スピーロ 文庫 ¥972

 2006年8月22日、マドリード。ここで、第25回国際数学者会議(International Congress of Mathematicians、ICM)が開催されました。南極をのぞくすべての大陸の142ヶ国から、四千人を超える数学者の男女がスペインに集まったのです。この会議は四年に一度行われるもので、前回は北京、前々回はベルリンで行われました。2010年はインド、ハイデラバードで行われ、2014年は韓国ソウルで開催予定です。
 このICMの冒頭、数学者最高の栄誉であるフィールズ賞の授与式が行われました。数学界のノーベル賞と言われるこの賞は、四年に一度、多くて四人にしか与えられないもので、発表の瞬間まで授与者は秘密にされます。才能ある若手の奨励という意味もあり、受賞者はICM開催年の1月1日に40歳以下でなければならないという規定もあります。
グレゴリー・ペレルマン この日のフィールズ賞受賞者の一人として、グレゴーリー・ペレルマンの名が上がりました。この栄誉は当然のことと受け止められましたが、彼が姿を見せず受賞を拒否したニュースは世界を驚かせました。
 このグレゴーリー・〝グリューシャ〟・ペレルマンとはどんな人物なのか。彼になにがあったのか。彼の功績、「ポアンカレ予想の証明」とは何か。「ポアンカレ予想」とはどんな歴史があったのか。
 この本は、はるか昔にさかのぼり、トポロジーという学問の成り立ちから始まってポアンカレという人物に至るその系譜、そしてポアンカレ予想に取り組んだ人々のドラマを描いたものです。

ジュール=アンリ・ポアンカレ まず、アンリ・ポアンカレという数学界の巨星の物語から。
 ジュール・アンリ・ポアンカレ(1854-1912)は、実学と産業技術を科学界の柱と考える当時のフランス社会の期待を背負い、鉱山技師としておのキャリアをスタートします。下級の技師として事故調査で名を上げたあと若くしてカーン大学の教授となり、その後数学者の道を進むこととなりました。
 教育者としての彼は、決して褒められるものではなかったらしい。講義は系統だっておらず、学生たちの反応に関心を持たず、くるくると話が変わる。研究者と教育者の違いでしょうか。
 しかし数学者としては、際だっています。細分化されつつあった数学界の中で、万能の、すなわち多くの分野にまたがって傑出した名声を博したのは、ポアンカレをもって絶後となりました。少なくとも現時点では。

 このポアンカレがその手腕を発揮した分野のひとつにトポロジー(位相幾何学)があります。
 こんなジョークがあるのだそうな。
 三人の数学者が立方体(サイコロのかたちの立体)を見せられ、これは何かと尋ねられた。すると幾何学者は 「立方体です」 と答え、グラフ理論学者は 「十二の辺で結ばれた、八つの点です」 と述べ、位相幾何学者(トポロジスト)は 「球です」 と答えた。 (P83)
 トポロジーの世界では、サイコロは球と同じ、コーヒーカップはドーナツと同じと考える、一種の革命的な数学です。形状の不要な条件を無視し、根本的な概念のセオリーを導き出すもの。
 レオンハルト・オイラー(1707-1783)が1750年に提唱した
  多面体の頂点の数 - 多面体の辺の数 + 多面体の面の数 = 2
 という公式は、トポロジーの夜明けとなったもの。
 のちにこの式には不備が見つかります。すべてが凸の立体でなければ成り立たないというもの。のちにこれは、凹となった場合の空洞の数を式に入れ、
  多面体の頂点の数 - 多面体の辺の数 + 多面体の面の数 = 2 + 空洞の数×2
 と拡張されて完全なものとなりました。これがトポロジーの世界。
 三次元上でこれが成り立つならば、四次元ではどうなるのか。五次元では。こうしてトポロジーの世界は拡大していきます。

 第四の次元は時間だ、と信じている人はけっこう多い。これは間違ってはいないが、正しくない。
 正しく言うのなら、 「第四の次元を時間とするならば」 という前提で話すときにのみ通用する、ということ。
 タテと、ヨコと、高さの三つの直交する座標軸に対し、二次元を三次元に拡張したようにすべての座標軸に対して直角な軸を想定すれば、四次元になる。以下、五次元でも六次元でも、想定できる限り存在できます。想定できるならば、ですが。(爆)

 さて、ポアンカレはこのトポロジーの世界において、一つの主張をします。非常に簡単に言うと、
  「穴もねじれもない任意の物体は球面に変形できる」
 あるいは
  「三次元球面と同じホモロジー群をもつ三次元多様体は、三次元球面と同相である」
 これは、ポアンカレの1895年の論文 「位置解析」 のあと、その第一の補足が四年後に発表されたのち、1900年に出された 「位置解析への第二の補足」 の最後に付け足されたものです。ポアンカレは、そこまでの論文があまりに長くなったためか、この主張の証明は残さず、ただこう結びます。
 「論文がこれ以上長くならないよう、ここでは、証明にまだ細かい詰めを要する次の定理を紹介するにとどめる」  (P148)

 かくして、この主張、仮説、予想の正しさを証明してやろうと、あるいは間違いを証明してやろうと考えた数学者たちの、百年の挑戦が始まりまりました。無数の試行錯誤の末、ペレルマンに至る道程の苦闘が、なんとも人間くさくて面白い。

 トポロジーという概念について、鐵太郎としては多少は知ったつもりでいたのですが、そのささやかな自負は最初の数十ページでみごとに蹴り飛ばされました。あとは、驚くべき人々の知的な天上界を目の当たりにし、ひたすら圧倒されると共に、数学者の生身の息遣いをかいま見るだけ。数学的な内容に関しては、正直お手上げです。
 こういう、ある意味ビジュアルな世界であるにもかかわらず、三次元を超える世界が展開しますから、解説的な絵などほとんどありません。まさに、絵にも描けない世界なのです。
 頭の中で、四次元以上の世界を構想できる人でやっとついていける世界なのでしょうか。
 人間ドラマを楽しむだけで終わってしまったこの無学ものを、数学の神よ許し給え。
 しかし、面白かった。こんな世界もあるんだねぇ。  
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偏微分方程式の「参考文献」
 (「リッチフローと幾何化予想 (数理物理シリーズ)小林 亮一(著)」の学習の前に一読 )

偏微分方程式 (熱方程式 P108~P122 5熱方程式) 講義ノート・・ (「ポアンカレ予想」解決ための基礎)PDF

偏微分方程式の解法 (楕円型線形偏微分方程式のスケッチ )・・ (「ポアンカレ予想」解決ための基礎)PDF

基礎 常微分方程式と偏微分方程式との違い・・ (「ポアンカレ予想」解決ための基礎)

基礎 偏微分方程式の解き方・・ (「ポアンカレ予想」解決ための基礎)

基礎 熱伝導方程式・・ (「ポアンカレ予想」解決ための基礎)

基礎 物理で使う偏微分方程式・・ (「ポアンカレ予想」解決ための基礎)

基礎 偏微分方程式を概観する・・ (「ポアンカレ予想」解決ための基礎)
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参考 書籍(  偏微分方程式 関係 :「ポアンカレ予想」解決ための基礎)

偏微分方程式入門 (基礎数学) - 金子 晃 単行本 ¥3,672
偏微分方程式論 (復刊) 南雲道夫(著)(理論)
偏微分方程式 (数学クラシックス) F.ジョン (著), 佐々木 徹 (翻訳) (理論)
偏微分方程式  佐野 理 (東京大学工学教程編纂委員会編)¥3,024(理論 まとめ)
微分方程式演習新訂版 (数学演習ライブラリ) 加藤義夫 ¥2.106(計算 練習)
Partial Differential Equations (Graduate Studies in Mathematics) ハードカバー
Lawrence C. Evans  (著)¥10,920
(スバラシク実力がつくと評判の偏微分方程式キャンパス・ゼミ―大学の数学がこんなに分かる!単位なんて楽に取れる! 馬場敬之 ¥1.937 計算 練習)
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リーマン幾何学の「参考文献」
 (「リッチフローと幾何化予想 (数理物理シリーズ)小林 亮一(著)」の学習の前に一読 )
ポアンカレ予想 (幾何化予想)

目次
第1章 多様体
第2章 ホモロジー群 
第3章 基本群
第4章 被覆空間
第5章 ヒーガード分解 
第6章 デーン手術
第7章 ザイフェルト多様体 
第8章 ハーケン多様体 
第9章 球面・トーラス分解
第10章 幾何化予想
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プレ Riemann 幾何学
幾何学序論 (微分幾何学入門)

微分幾何 (微分幾何 入門から Riemann 幾何学 入門?) (3部が重要:リッチ曲率とは・・)
http://sshmathgeom.private.coocan.jp/diffgeom/diffgeom.html
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1部
2部
特に(3部が重要:リッチ曲率とは・・)
3部 リーマン幾何学
1.テンソル積
2.交代テンソル
3.多様体
4.接ベクトル
5.リーマン多様体
6.曲率
7.曲率形式
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 (「リッチフローと幾何化予想 (数理物理シリーズ)小林 亮一(著)」の学習の前に一読 )
Riemann 幾何学の基礎

一般相対性理論 (再) 入門 講義ノート ( リッチ曲率とは・・・リーマン曲率テンソルから・・その )

幾何学特論 講義ノート ( リッチ曲率とは・・・リーマン曲率テンソルから・・その )

微分幾何学 (相対性理論の基礎としての) 物理系

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参考 書籍 ( リーマン幾何学 関係 :「ポアンカレ予想」解決ための基礎)
「多様体入門とリーマン幾何学」の知識が不足している人
( リッチ曲率とは・・・リーマン曲率テンソルから・・その )

リーマン幾何学と相対性理論 - 岡部 洋一(著) ¥2,592
リーマン幾何学入門 オルドジフ・コヴァルスキー(著) 関沢正躬(訳)¥2,808
リーマン幾何学 (復刊)立花俊一(著) 朝倉書店
リーマン幾何学 酒井隆(著)
リーマン幾何学 加須栄篤(著) 培風館
復刊 リーマン幾何学入門 増補版 朝長 康郎(著)

多様体の基礎 (基礎数学) - 松本 幸夫(著) 単行本 ¥3,456
基礎系 数学 微分幾何学とトポロジー (東京大学工学教程) - 永長 直人 単行本 ¥2,700
多様体論 志賀浩二(著) 岩波基礎数学選書 
多様体(第2版) 村上信吾(著)

幾何学〈1〉多様体入門 (大学数学の入門) - 坪井 俊(著)¥2,808(特に、多様体上のフロー など)
幾何学〈2〉ホモロジー入門 (大学数学の入門) - 坪井 俊(著)¥2,808
幾何学〈3〉微分形式 (大学数学の入門) - 坪井 俊 (著)¥3,780
 
微分幾何学 (大学数学の世界1) - 今野 宏(著)¥3,888(数学の専門知識が不足している人用)
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参考

「フェルマーの最終定理」の研究(数学・数理科学分野) (「フェルマーの最終定理の証明」の理解へ
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今後の学習予定?

発展(参考)

結び目と3次元多様体  (「ポアンカレ予想」の発展?(「サーストンの幾何化予想」解決 =幾何化定理と8つの3次元幾何構造の発展)PDF

結び目と素数 — 数論的位相幾何学入門 森下 昌紀 PDF (「整数論(数論的幾何学)との考察?)

結び目と素数 (シュプリンガー現代数学シリーズ)森下 昌紀 (著)¥4,104
レクチャー結び目理論 (共立叢書―現代数学の潮流) - 河内 明夫(著)(3・4次元多様体など)¥3,888
結び目理論の圏論 「結び目」のほどき方 - 伊藤 昇 単行本 ¥3,456
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2017年3月23日 3次元リッチフローと幾何学的トポロジー  戸田 正人著 (ポアンカレ予想の証明」の理解へ)

2017年3月23日 3次元リッチフローと幾何学的トポロジー  戸田 正人著 (ポアンカレ予想の証明」の理解へ)


3次元リッチフローと幾何学的トポロジー  戸田 正人著 (ポアンカレ予想へ)

ペレルマンがサーストンの幾何化予想を解決してからすでに10年が経ち,その手法はすでに幾何学の基礎になりつつある。本書ではその手法を最小限の知識を前提として解説することを試みた。
直接解決に用いられたリッチフローの解析について述べるだけでなく,予備知識がない読者でも幾何化予想の内容を無理なく理解できるよう最初にページを割いて3次元多様体論,とくに幾何構造と標準分解について述べた。リッチフローに関しては最大値原理やコンパクト性定理など基本定理について初歩から論じ,これらの準備のもとにペレルマンの主要なアイデアを解説していく。また原論文を読もうとする意欲ある読者の指針となるように,最後に予想の解決の技術的な議論を概観した。
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第1章 幾何構造と双曲幾何
1.1 幾何構造の一般論
1.2 双曲モデルと双曲変換
1.3 双曲三角形の比較定理
1.4 多面体による構成
1.5 体積有限双曲多様体の構造
1.6 ファイバー束の幾何構造
1.7 幾何モデルの分類

第2章 3次元多様体の分解
2.1 PL-構造と微分構造
2.2 3次元多様体内の曲面
2.3 Heegard 分解と素因子分解
2.4 ループ定理と球面定理
2.5 ザイフェルト多様体
2.6 JSJ-分解
2.7 幾何化予想

第3章 リッチフローの基本定理
3.1 方程式と特殊解
3.2 初期値問題
3.3 最大値原理の一般論
3.4 最大値原理の応用
3.5 ヤコビ場の評価
3.6 局所評価
3.7 コンパクト性

第4章 リッチフローの特異性
4.1 局所L-幾何
4.2 局所非崩壊定理
4.3 共役熱方程式とL-幾何
4.4 リーマン幾何からの準備
4.5 非負曲率空間の幾何
4.6 κ解の性質
4.7 κ解の分類
4.8 標準近傍定理
4.9 特異時刻における連結和分解
4.10 長時間挙動

付録 ファイバー束と接続

参考文献/索引
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第1章 幾何構造と双曲幾何
1.1 幾何構造の一般論/1.2 双曲モデルと双曲変換/1.3 双曲三角形の比較定理/1.4 多面体による構成/1.5 体積有限双曲多様体の構造/1.6 ファイバー束の幾何構造/1.7 幾何モデルの分類
第2章 3次元多様体の分解
2.1 PL-構造と微分構造/2.2 3次元多様体内の曲面/2.3 Heegard分解と素因子分解/2.4 ループ定理と球面定理/2.5 ザイフェルト多様体/2.6 JSJ-分解/2.7 幾何化予想
第3章 リッチフローの基本定理
3.1 方程式と特殊解/3.2 初期値問題/3.3 最大値原理の一般論/3.4 最大値原理の応用/3.5 ヤコビ場の評価/3.6 局所評価/3.7 コンパクト性
第4章 リッチフローの特異性
4.1 局所L-幾何/4.2 局所非崩壊定理/4.3 共役熱方程式とL-幾何/4.4 リーマン幾何からの準備/4.5 非負曲率空間の幾何/4.6 κ解の性質/4.7 κ解の分類/4.8 標準近傍定理/4.9 特異時刻における連結和分解/4.10 長時間挙動
付録 ファイバー束と主束の接続

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備忘録


「第1章 幾何構造と双曲幾何」は、大学数学科卒業レベルで読むことはできる。
(  知識がない人は、「線形代数学」、「群論」、「代数的トポロジー(代数的位相幾何学)」、「リー群」、「リーマン幾何学(多様体の初歩)」など「初歩知識があるとよい。)

参考
トポロジー入門 奇妙な図形のからくり (ブルーバックス) - 都筑 卓司 新書 ¥1,080
トポロジー入門 松本幸夫  岩波書店 (トポロジー (位相幾何学) の標準的な教科書)
トポロジー入門 小島定吉 21世紀の数学7,共立出版  (トポロジー (位相幾何学) の標準的な教科書)
トポロジー田村一郎  岩波全書,岩波書店 (3角形分割やホモロジーに詳しい)
3次元の幾何学 小島定吉 (講座 数学の考え方〈22〉) 単行本  ¥3,888
代数的トポロジー 枡田 幹也 講座 数学の考え方〈15〉¥4,536
はじめて学ぶリー群 ―線型代数から始めよう 井ノ口順一 (著) ¥3,024
多様体の基礎 (基礎数学) 単行本 – 松本幸夫 ¥3,456
位相幾何学 加藤十吉 裳華房 ¥4,104
多様体入門 (新装版) 単行本 – 松島 与三 (著) 裳華房 ¥4,752

トポロジー入門

ポアンカレ予想 世界一周してロープを回収できる図形は、球のみか? (イメージつくりに)


「第2章 3次元多様体の分解」は、大学数学科卒業レベルで読むことはできる。
(  知識がない人は、「3次元多様体」、「代数的トポロジー(代数的位相幾何学)」、「リー群」、「リーマン幾何学(多様体の初歩)」など「初歩知識があるとよい。)
「3次元多様体入門(培風館)森元勘治   」ネットPDF版(無料)がよい。
無料公開:3次元多様体入門(培風館): 森元勘治 (数学の専門知識が不足している人用)
http://tunnel-knot.sakura.ne.jp/3-manifolds.html



幾何特論 I( 3次元多様体 )

3次元多様体のトポロジー


「第3章 リッチフローの基本定理」と「第4章 リッチフローの特異性」については、大学院の数学科レベルで読むことはできる。
(  知識がない人は、「リーマン幾何学(微分幾何学入門)」「偏微分方程式(放物型熱方程式を中心に)」を一通り学習しておくと読みやすい)
の書籍があると学習(詳しいが専門的である)がはかどる。

微分幾何 (曲線・曲面とリーマン多様体)

曲線・曲面とリーマン多様体


偏微分方程式:講義ノート

参考
現代微分幾何入門 (基礎数学選書 25) - 野水 克己 単行本 ¥3,888
微分幾何学 (大学数学の世界1) - 今野 宏 単行本 ¥3,888
リーマン幾何学 (数学選書) 酒井隆 ¥6,480
リーマン幾何学 (復刊)立花俊一 ¥3,780

偏微分方程式入門 (基礎数学) - 金子 晃 単行本 ¥3,672
偏微分方程式 佐野 理 東京大学工学教程編纂委員会編 ¥3,024

ポアンカレ予想とリッチフロー

3次元多様体の崩壊とポアンカレ予想

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ポアンカレ予想

ポアンカレ予想 小島定吉 論説


ポアンカレ予想 小沢 誠 講義メモ?

  
ポアンカレ予想はいかにして解決されたか

3次元トポロジー の新展開 リッチフローとポアンカレ予想


ポアンカレ予想 上 書籍(要約)

ポアンカレ予想 下 書籍(要約)

リッチフローと幾何化予想 書評

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2011年6月1日
数理物理シリーズ5  リッチフローと幾何化予想 土屋昭博・砂田利一 共編/小林亮一 著  培風館

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(個人的に、「平成30年間」に影響を受けた書籍(一部分))










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ボブ・ディランの謎 10月24日 (宇宙の形に関する「ポアンカレ予想」 数学)

ボブ・ディランの謎 10月24日 (宇宙の形に関する「ポアンカレ予想」 数学)
ポアンカレ予想 解決




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フランスの数学者、ポアンカレが1904年に提言した、宇宙の形に関する「ポアンカレ予想」は、世界中の学者の挑戦を退けてきた。この「100年の難問」を見事解決したのが、ロシアの数学者、グリゴリー・ペレルマンさんである。

 ▼もっともペレルマンさんは、その偉大な業績以上に、変人ぶりが有名となってしまった。2006年には、数学界のノーベル賞といわれるフィールズ賞を辞退する。70年を超える賞の歴史で初めての珍事だった。どうも人前に出るのが、何より嫌いらしい。

 ▼米国の数学研究所が「ポアンカレ予想」にかけていた、賞金、100万ドル(当時約9000万円)の受け取りさえも拒否している。故郷のサンクトペテルブルクで、母親とひっそり暮らしているそうだ。

 ▼今年のノーベル文学賞は、米国の歌手、ボブ・ディランさんの受賞で大いに盛り上がった。歌詞の芸術的価値について、論争も引き起こした。ところが、当の本人は沈黙を続けたままである。「無礼で傲慢だ」。業を煮やした選考委員がスウェーデンのテレビで、とうとう怒りをぶちまけた。

 ▼これまで自らの意思でノーベル賞を辞退したのは、仏哲学者のサルトル氏と北ベトナムの労働党政治局員レ・ドク・ト氏の2人だけである。果たしてディランさんが、3人目となるのか。話題の中心はそちらに移ってしまった。ディランさんといえば、数々の音楽賞のほか、4年前には、米文民最高位の勲章「大統領自由勲章」を受けている。賞嫌いの変人というわけでは、なさそうだが。

 ▼〈人の行く裏に道あり花の山〉。昨日のコラムで、株式投資の有名な格言を「人の行く道に裏あり」と、誤って記してしまった。まことにお恥ずかしい限りです。

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参考
数学の「ポアンカレ予想」を理解するための,動画・原論文・読み物・PDFのまとめ (ポアンカレからペレルマンまでの流れ)

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以下の書籍で「ポアンカレ予想」の証明の理解に挑戦!

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3次元リッチフローと幾何学的トポロジー  戸田 正人著 (ポアンカレ予想へ)

ペレルマンがサーストンの幾何化予想を解決してからすでに10年が経ち,その手法はすでに幾何学の基礎になりつつある。本書ではその手法を最小限の知識を前提として解説することを試みた。
直接解決に用いられたリッチフローの解析について述べるだけでなく,予備知識がない読者でも幾何化予想の内容を無理なく理解できるよう最初にページを割いて3次元多様体論,とくに幾何構造と標準分解について述べた。リッチフローに関しては最大値原理やコンパクト性定理など基本定理について初歩から論じ,これらの準備のもとにペレルマンの主要なアイデアを解説していく。また原論文を読もうとする意欲ある読者の指針となるように,最後に予想の解決の技術的な議論を概観した。
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第1章 幾何構造と双曲幾何
1.1 幾何構造の一般論
1.2 双曲モデルと双曲変換
1.3 双曲三角形の比較定理
1.4 多面体による構成
1.5 体積有限双曲多様体の構造
1.6 ファイバー束の幾何構造
1.7 幾何モデルの分類

第2章 3次元多様体の分解
2.1 PL-構造と微分構造
2.2 3次元多様体内の曲面
2.3 Heegard 分解と素因子分解
2.4 ループ定理と球面定理
2.5 ザイフェルト多様体
2.6 JSJ-分解
2.7 幾何化予想

第3章 リッチフローの基本定理
3.1 方程式と特殊解
3.2 初期値問題
3.3 最大値原理の一般論
3.4 最大値原理の応用
3.5 ヤコビ場の評価
3.6 局所評価
3.7 コンパクト性

第4章 リッチフローの特異性
4.1 局所L-幾何
4.2 局所非崩壊定理
4.3 共役熱方程式とL-幾何
4.4 リーマン幾何からの準備
4.5 非負曲率空間の幾何
4.6 κ解の性質
4.7 κ解の分類
4.8 標準近傍定理
4.9 特異時刻における連結和分解
4.10 長時間挙動

付録 ファイバー束と接続

参考文献/索引
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第1章 幾何構造と双曲幾何
1.1 幾何構造の一般論/1.2 双曲モデルと双曲変換/1.3 双曲三角形の比較定理/1.4 多面体による構成/1.5 体積有限双曲多様体の構造/1.6 ファイバー束の幾何構造/1.7 幾何モデルの分類
第2章 3次元多様体の分解
2.1 PL-構造と微分構造/2.2 3次元多様体内の曲面/2.3 Heegard分解と素因子分解/2.4 ループ定理と球面定理/2.5 ザイフェルト多様体/2.6 JSJ-分解/2.7 幾何化予想
第3章 リッチフローの基本定理
3.1 方程式と特殊解/3.2 初期値問題/3.3 最大値原理の一般論/3.4 最大値原理の応用/3.5 ヤコビ場の評価/3.6 局所評価/3.7 コンパクト性
第4章 リッチフローの特異性
4.1 局所L-幾何/4.2 局所非崩壊定理/4.3 共役熱方程式とL-幾何/4.4 リーマン幾何からの準備/4.5 非負曲率空間の幾何/4.6 κ解の性質/4.7 κ解の分類/4.8 標準近傍定理/4.9 特異時刻における連結和分解/4.10 長時間挙動
付録 ファイバー束と主束の接続

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2011年6月1日  リッチフローと幾何化予想 (数理物理シリーズ) 単行本 小林 亮一 (著) (ポアンカレ予想の「証明」の理解へ)培風館

2011年6月1日  リッチフローと幾何化予想 (数理物理シリーズ) 単行本 小林 亮一 (著) (ポアンカレ予想の「証明」の理解へ)培風館

リッチフローと幾何化予想 (ポアンカレ予想へ) 数理物理シリーズ 小林 亮一/著   培風館

内容説明
本書は、1970年代後半にサーストンにより予想された3次元閉多様体の幾何化が、ハミルトンとペレルマンによっていかに解決されたのか、解決に至るその議論の全容を紹介した書である。リッチフローの基礎理論からはじめて、Wエントロピー、簡約体積関数とその応用について述べる基礎編Part 1と、予想がいかに解決されるかについて述べる解決編Part 2から構成されている。初めて学ぶ読者を対象に、豊富な概念図とともに、懇切丁寧に解説する。
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記法・公式・定理のまとめ
0.オーバービュー
0.1 幾何化予想
0.2 ハミルトンプログラム
0.3 ペレルマンによるリッチフローへのアプローチ
Part Ⅰ リッチフローの基礎理論・Wエントロピー・簡約体積関数とその応用
1.リッチフローの基礎事項
1.1 リッチフローの定義
1.2 短時間存在と一意性
1.3 リッチソリトン
1.4 共役熱作用素とリッチフローの特徴づけ
1.5 曲率テンソルの時間発展
1.6 最大値原理
2.テンソルに対する最大値原理と3次元リッチフローのピンチング
2.1 テンソルに対する最大値原理
2.2 非負リッチ曲率は3次元完備曲率有界なリッチフローで保たれる
2.3 正のリッチ曲率をもつ3次元多様体のピンチング
2.4 3次元閉多様体上のリッチフローのピンチングに関するハミルトン・アイビーの定理
3.リッチフローの曲率の局所勾配評価とリッチフローの列の幾何収束
3.1 シィの局所勾配評価
3.2 リッチフローの列の幾何収束
4.リッチフローの勾配流解釈とその応用
4.1 リッチフローの勾配流解釈とブリーザー解の非存在
4.2 非局所崩壊定理
4.3 統計的解釈
5.リーマン幾何的熱浴.L幾何.ハルナック不等式
5.1 リーマン幾何的熱浴
5.2 ペレルマンのL幾何とハミルトンのハルナック不等式
6.伝播型非局所崩壊定理.微分形の単調性公式.擬局所性定理
6.1 リッチフローのもとでの距離関数の変化
6.2 非局所崩壊定理4.2.4の弱形の別証明
6.3 伝播型非局所崩壊定理
6.4 単調性公式の局所化とその応用
6.5 W汎関数と共役熱方程式の基本解によるリッチフローの弱い意味での特徴づけ
7.κ解−非負曲率作用素をもちκ非崩壊な古代解
7.1 κ解の漸近ソリトン
7.2 漸近スカラー曲率比と漸近体積比
8.3次元κ解
8.1 3次元κ解の集合のコンパクト性
8.2 3次元κ解の構造
9.3次元リッチフローの標準近傍定理
9.1 標準近傍定理
9.2 標準近傍定理の局所版と前方および後方曲率評価
Part Ⅱ 幾何化予想の解決
10.いろいろな定義・記号
11.3次元κ解の分類
11.1 漸近ソリトンの分類
11.2 κ解の分類
12.R3の標準解
12.1 標準帽化シリンダー計量
12.2 R3の標準解の性質
13.最初の特異時刻におけるリッチフロー解の構造
13.1 極限リーマン多様体
13.2 極限リーマン多様体の構造
14.カットオフつきリッチフロー
14.1 極限計量におけるε角部の長さ
14.2 カットオフつきリッチフローの定義
14.3 標準近傍半径とカットオフ半径
14.4 カットオフつきリッチフロー
15.カットオフつきリッチフローにおけるピンチング条件と標準近傍条件
15.1 カットオフつきリッチフローにおけるピンチング条件
15.2 カットオフつきリッチフローにおける標準近傍条件
16.カットオフつきリッチフローの長時間における振舞い(Ⅰ)
16.1 初期計量のスカラー曲率が非負の場合
16.2 スカラー曲率が負の領域がいつまでも残る場合
17.カットオフつきリッチフローの長時間における振舞い(Ⅱ)
17.1 双曲計量への収束
17.2 広部−狭部分解
17.3 体積有限完備双曲多様体の剛性と広部の安定性
17.4 広部の境界に現れるトーラスの非圧縮性
17.5 グラフ多様体
18.カットオフつきリッチフローにおける作用素−4Δ+Rの第1固有値
18.1 カットオフつきリッチフローの作用素−4Δ+Rの第1固有値
18.2 スペクトル不変量と3次元閉多様体の位相型



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0.オーバービュー
0.1 幾何化予想/0.2 ハミルトンプログラム/0.3 ペレルマンによるリッチフローへのアプローチ
Part Ⅰ リッチフローの基礎理論・Wエントロピー・簡約体積関数とその応用
1.リッチフローの基礎事項
1.1 リッチフローの定義/1.2 短時間存在と一意性/1.3 リッチソリトン/1.4 共役熱作用素とリッチフローの特徴づけ/1.5 曲率テンソルの時間発展/1.6 最大値原理
2.テンソルに対する最大値原理と3次元リッチフローのピンチング
2.1 テンソルに対する最大値原理/2.2 非負リッチ曲率は3次元完備曲率有界なリッチフローで保たれる/2.3 正のリッチ曲率をもつ3次元多様体のピンチング/2.4 3次元閉多様体上のリッチフローのピンチングに関するハミルトン・アイビーの定理
3.リッチフローの曲率の局所勾配評価とリッチフローの列の幾何収束
3.1 シィの局所勾配評価/3.2 リッチフローの列の幾何収束
4.リッチフローの勾配流解釈とその応用
4.1 リッチフローの勾配流解釈とブリーザー解の非存在/4.2 非局所崩壊定理/4.3 統計的解釈
5.リーマン幾何的熱浴.L幾何.ハルナック不等式
5.1 リーマン幾何的熱浴/5.2 ペレルマンのL幾何とハミルトンのハルナック不等式
6.伝播型非局所崩壊定理.微分形の単調性公式.擬局所性定理
6.1 リッチフローのもとでの距離関数の変化/6.2 非局所崩壊定理4.2.4の弱形の別証明/6.3 伝播型非局所崩壊定理/6.4 単調性公式の局所化とその応用/6.5 W汎関数と共役熱方程式の基本解によるリッチフローの弱い意味での特徴づけ
7.κ解-非負曲率作用素をもちκ非崩壊な古代解
7.1 κ解の漸近ソリトン/7.2 漸近スカラー曲率比と漸近体積比
8.3次元κ解
8.1 3次元κ解の集合のコンパクト性/8.2 3次元κ解の構造
9.3次元リッチフローの標準近傍定理
9.1 標準近傍定理/9.2 標準近傍定理の局所版と前方および後方曲率評価
Part Ⅱ 幾何化予想の解決
10.いろいろな定義・記号
11.3次元κ解の分類
11.1 漸近ソリトンの分類/11.2 κ解の分類
12.R[3]の標準解
12.1 標準帽化シリンダー計量/12.2 R[3]の標準解の性質
13.最初の特異時刻におけるリッチフロー解の構造
13.1 極限リーマン多様体/13.2 極限リーマン多様体の構造
14.カットオフつきリッチフロー
14.1 極限計量におけるε角部の長さ/14.2 カットオフつきリッチフローの定義/14.3 標準近傍半径とカットオフ半径/14.4 カットオフつきリッチフロー
15.カットオフつきリッチフローにおけるピンチング条件と標準近傍条件
15.1 カットオフつきリッチフローにおけるピンチング条件/15.2 カットオフつきリッチフローにおける標準近傍条件
16.カットオフつきリッチフローの長時間における振舞い(Ⅰ)
16.1 初期計量のスカラー曲率が非負の場合/16.2 スカラー曲率が負の領域がいつまでも残る場合
17.カットオフつきリッチフローの長時間における振舞い(Ⅱ)
17.1 双曲計量への収束/17.2 広部-狭部分解/17.3 体積有限完備双曲多様体の剛性と広部の安定性/17.4 広部の境界に現れるトーラスの非圧縮性/17.5 グラフ多様体
18.カットオフつきリッチフローにおける作用素-4Δ+Rの第1固有値
18.1 カットオフつきリッチフローの作用素-4Δ+Rの第1固有値/18.2 スペクトル不変量と3次元閉多様体の位相型
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数理物理シリーズ5 
リッチフローと幾何化予想 
土屋昭博・砂田利一 共編/小林亮一 著  
培風館



本書は,1970年代後半にサーストンにより予想された3次元閉多様体の幾何化が,ハミルトンとペレルマンによっていかに解決されたのか,解決に至るその議論の全容を紹介した書である。リッチフローの基礎理論からはじめて,エントロピー,簡約体積関数とその応用について述べる PartⅠと,予想がいかに解決されるかについて述べる解決編 PartⅡから構成されている。初めて学ぶ読者を対象に,豊富な概念図とともに,懇切丁寧に解説する。
〔主要目次〕
記法・公式・定理のまとめ
0.オーバービュー
PartⅠ リッチフローの基礎理論・エントロピー・簡約体積関数とその応用
1.リッチフローの基礎事項
2.テンソルに対する最大値原理と3次元リッチフローのピンチング
3.リッチフローの曲率の局所勾配評価とリッチフローの列の幾何収束
4.リッチフローの勾配流解釈とその応用
5.リーマン幾何的熱浴.幾何.ハルナック不等式
6.伝播型非局所崩壊定理.微分形の単調性公式.擬局所性定理
7.κ解―非負曲率作用素をもちκ非崩壊な古代解
8.3次元κ解
9.3次元リッチフローの標準近傍定理
PartⅡ 幾何化予想の解決
10.いろいろな定義・記号
11.3次元κ解の分類
12.3の標準解
13.最初の特異時刻におけるリッチフロー解の構造
14.カットオフつきリッチフロー
15.カットオフつきリッチフローにおけるピンチング条件と標準近傍定理
16.カットオフつきリッチフローの長時間における振舞い(I)
17.カットオフつきリッチフローの長時間における振舞い(II)
18.カットオフつきリッチフローにおける-4△+R の第1固有値 
参考文献

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この書籍が「ポアンカレ予想」の理解の中心となる教科書

3次元リッチフローと幾何学的トポロジー  戸田 正人著 (ポアンカレ予想の証明」の理解へ)

備忘録

「第1章 幾何構造と双曲幾何」は、大学数学科卒業レベルで読むことはできる。
(  知識がない人は、「線形代数学」、「群論」、「代数的トポロジー(代数的位相幾何学)」、「リー群」、「リーマン幾何学(多様体の初歩)」など「初歩知識があるとよい。)

参考
トポロジー入門 奇妙な図形のからくり (ブルーバックス) - 都筑 卓司 新書 ¥1,080
トポロジー入門 松本幸夫  岩波書店 (トポロジー (位相幾何学) の標準的な教科書)
トポロジー入門 小島定吉 21世紀の数学7,共立出版  (トポロジー (位相幾何学) の標準的な教科書)
トポロジー田村一郎  岩波全書,岩波書店 (3角形分割やホモロジーに詳しい)
3次元の幾何学 小島定吉 (講座 数学の考え方〈22〉) 単行本  ¥3,888
代数的トポロジー 枡田 幹也 講座 数学の考え方〈15〉¥4,536
はじめて学ぶリー群 ―線型代数から始めよう 井ノ口順一 (著) ¥3,024
多様体の基礎 (基礎数学) 単行本 – 松本幸夫 ¥3,456
位相幾何学 加藤十吉 裳華房 ¥4,104
多様体入門 (新装版) 単行本 – 松島 与三 (著) 裳華房 ¥4,752

トポロジー入門

ポアンカレ予想 世界一周してロープを回収できる図形は、球のみか? (イメージつくりに)


「第2章 3次元多様体の分解」は、大学数学科卒業レベルで読むことはできる。
(  知識がない人は、「3次元多様体」、「代数的トポロジー(代数的位相幾何学)」、「リー群」、「リーマン幾何学(多様体の初歩)」など「初歩知識があるとよい。)
「3次元多様体入門(培風館)森元勘治   」ネットPDF版(無料)がよい。
無料公開:3次元多様体入門(培風館): 森元勘治 (数学の専門知識が不足している人用)
http://tunnel-knot.sakura.ne.jp/3-manifolds.html



幾何特論 I( 3次元多様体 )

3次元多様体のトポロジー


「第3章 リッチフローの基本定理」と「第4章 リッチフローの特異性」については、大学院の数学科レベルで読むことはできる。
(  知識がない人は、「リーマン幾何学(微分幾何学入門)」「偏微分方程式(放物型熱方程式を中心に)」を一通り学習しておくと読みやすい)
の書籍があると学習(詳しいが専門的である)がはかどる。

微分幾何 (曲線・曲面とリーマン多様体)

曲線・曲面とリーマン多様体


偏微分方程式:講義ノート

参考
現代微分幾何入門 (基礎数学選書 25) - 野水 克己 単行本 ¥3,888
微分幾何学 (大学数学の世界1) - 今野 宏 単行本 ¥3,888
リーマン幾何学 (数学選書) 酒井隆 ¥6,480
リーマン幾何学 (復刊)立花俊一 ¥3,780

偏微分方程式入門 (基礎数学) - 金子 晃 単行本 ¥3,672
偏微分方程式 佐野 理 東京大学工学教程編纂委員会編 ¥3,024

ポアンカレ予想とリッチフロー

3次元多様体の崩壊とポアンカレ予想

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ポアンカレ予想

ポアンカレ予想 小島定吉 論説


ポアンカレ予想 小沢 誠 講義メモ?

  
ポアンカレ予想はいかにして解決されたか

3次元トポロジー の新展開 リッチフローとポアンカレ予想


ポアンカレ予想 上 書籍(要約)

ポアンカレ予想 下 書籍(要約)

リッチフローと幾何化予想 書評

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「n 次元球面 Sn にホモトピー同値な閉多様体は Sn に同相であろう」という n 次元ポア ンカレ予想は,歴史的には n  5 のときスメイル, n = 4 のときフリードマンによって 肯定的に解決されました.n = 3 の場合には 1970 年代後半になって,サーストンが幾 何化という新たな概念を導入することにより「3 次元閉多様体は 8 種類の幾何構造を もつピースに標準的に分解されるであろう」という幾何化予想を提唱し,3 次元ポア ンカレ予想をも包摂する新たな枠組みが提出されました.さらに 2003 年ころにペレ ルマンは,ハミルトンによるリッチフローの研究をさらに発展させる形で,このサー ストンの幾何化予想を解決し,その系として 3 次元ポアンカレ予想を肯定的に解決し ました:
[P1] G.Perelman, The entropy formula for the Ricci flow and its geometric applications, arXiv: math/0211159.
[P2] –––– , Ricci flow with surgery on three-manifolds, arXiv: math/0303109.
[P3] –––– , Finite extinction time for the solution to the Ricci flow on certain three manifolds, arXiv: math/0307245.
本書は,上記3編の論文とクライナー・ロットによる記事 B.Kleiner & J.Lot, Notes on Perelman, arXiv: math/0605667 を参考に,ペレルマンによる幾何化予想解決の詳細を 丁寧に解説したものです.内容的には,リッチフローの基礎理論から始めて幾何化予 想の解決に至るまで,研究者を志す大学院生やある程度の予備知識をもつ数学者を念 頭に書かれたハイレベルのテキストで,本書のあちこちに著者の創意と工夫が垣間見 えます.序文で著者も強調しているように,上記3編の原論文を手元におき比較対照 しながら本書を読むことが最もお勧めです.以下ではその内容を詳しく見ていこうと 思います.
第0章で,サーストンの幾何化予想,ハミルトンによるリッチフローの研究,さらに はペレルマンのアプローチを俯瞰したあと,Part I(第1章から9章まで)では,ハミルトン・ペレルマンによるリッチフローの方法の全容が明かされます.さらに Part II(第10章から18章まで)では,Part I で準備した種々の道具が幾何化予想をい かに解決に導くかを詳細に述べています.
3次元リッチフローで初期計量を変形していくとき,有限時間 t = T で特異性が現れる とします.T に至る時刻の列{ti}を適当にとり,各時刻で曲率が大きい点を選んで曲率 の大きさを用いてリッチフロー解をリスケールした極限をハミルトンは考察しました. (このようなリスケール解の列の極限では,定義される時間区間が無限大に伸びる可 能性があり,過去に無限に伸びた時間区間(,T]で定義されたリッチフロー解は古代 解とよばれています.)彼はハルナック不等式に基づいて,特異点が現れる直前の曲率 が大きい点の近傍は標準的な構造を持つことを予想したのですが,さらに特異点に潰 れて行く部分の周辺を手術で切り離します.こうした操作の繰り返しにより,ハミル トンは手術つきリッチフローというものを考え,有限時間で解が消滅する場合を除け ば,リッチフローが時間無限大まで延長して最終的には標準的なものになることを予 想しました.
リスケール解の列の収束を示すには,コンパクト性定理 R.S.Hamilton, A compactness property for solutions of the Ricci flow, Amer.J.Math., 117 (1995), 545—572, を用いる ため,単射半径の下からの評価と曲率の一様有界性が必要となります.この困難性を 解決したのがペレルマンの局所非崩壊定理(第4章)やその伝播型(第6章)ですが, 彼はこれらを示す過程で W エントロピー(第4章)や L 幾何(第5章)などの重要な 概念を導入しました.さらにリッチフロー解の特異点の解析は,非負曲率作用素をも ち非崩壊な古代解である解の構造を理解することに帰着され(第7章),ペレルマン による3次元解の構造定理(第8章)やその分類(第11章)が基本的役割を果たし ます.一方,特異点が現れる直前での曲率が大きい点の近傍は標準的な構造を持つ(あ る解の対応する部分集合によって近似される)というペレルマンによる3次元リッ チフローの標準近傍定理(第9章)も問題解決の重要な鍵でした. 第12章及び第13章は手術つきリッチフローに必要な基礎的事項の説明にあてられ, 第14章及び第15章では「ピンチング条件」や「標準近傍条件」をみたす手術つき リッチフローとして,カットオフつきリッチフローという概念が定式化されます.リ ッチフローを走らせた場合に,特異点が生じるごとに標準的な方法で手術を行うこと により,カットオフつきリッチフロー解が(消滅しない限り)時間無限大まで延長し ます.そして第16章と第17章で,カットオフつきリッチフロー解の長時間におけ る振舞いを調べることで,幾何化予想の肯定的解決が得られます(定理 17.5.9):
すなわち,任意の3次元閉多様体 M 上に初期計量を与えてカットオフつきリッチフロ ーを走らせると,以下の2つの場合が起こります.

(Case 1) 有限時間ですべての連結成分のスカラー曲率が非負に成る場合;
(Case 2) スカラー曲率が負の領域がいつまでも残る場合.
上の Case 1 の場合には,スカラー曲率が零になる連結成分と,スカラー曲率がどこか で正になる連結成分の連結和になりますが,後者の連結成分上ではカットオフつきリ ッチフローの生存時間は有限となります.この場合は M はいくつかの平坦閉多様体, いくつかの S1 S2 と,いくつかの標準球面 S3 の計量商の連結和に微分同相となります. 一方 Case 2 の場合には,カットオフつきリッチフローは時間無限大まで延長され,M には広部-狭部分解がおこり,狭部(体積崩壊する部分)はグラフ多様体に微分同相で す.([P2] 及び 塩谷-山口:Volume collapsed three-manifolds with a lower curvature bound, Math.Ann. 333 (2005), 131—155 参照.) 一方広部は,適当なスケーリングの後,い くつかの閉双曲多様体または体積有限完備双曲多様体(のカスプを切り落としたもの) に点つき幾何収束します.そして M は狭部と広部を非圧縮的トーラスに沿って貼り合 わせたものに微分同相となります. ただしカットオフつきリッチフローにおいて手術は有限時間では高々有限回であるが, 時間大域的には狭部において手術が無限回起きている可能性を排除できない.このよ うな状況であっても,トポロジー的に意味のある連結和分解は有限回で終了していて, 幾何化予想の結論には影響しません(注意 17.5.8;J.W.Morgan & G.Tian, Completion of the proof of the Geometrization Conjecture, arXiv: math/0809.4040).

数学 「ポアンカレ予想」を証明した変わり者数学者、初めて出会った難問は「イエス様」

数学 「ポアンカレ予想」を証明した変わり者数学者、初めて出会った難問は「イエス様」
ポアンカレ予想 解決




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【 ポアンカレ予想 】数学における世紀の難問「ポアンカレ予想」を証明したロシアの数学者グリゴリー・ペレルマン(Grigory Perelman)氏(44)が生まれて初めて解決したいと思った「謎」は、イエス・キリストがどうやって水の上を歩いたか、だった――。

 数学界のノーベル賞とされるフィールズ賞(Fields Prize)の受賞者に選ばれながらも受賞を辞退し、隠遁生活を送る変わり者の数学者に、このほど露日刊紙コムソモリスカヤ・プラウダ(Komsomolskaya Pravda)がインタビューした。

 ペレルマン氏は空間の位相的性質を研究する幾何学の分野である位相幾何学(トポロジー)の中で最も重要とみなされている問題の1つ「ポアンカレ予想」を証明し、2002~03年にインターネット上で発表した。この功績で2006年のフィールズ賞受賞が決まったものの、ペレルマン氏は受賞を辞退。米クレイ数学研究所のミレニアム賞と賞金100万ドルの受け取りも拒否したことで、世界的な注目を集めた。

 現在、サンクトペテルブルク(Saint Petersburg)の労働者階級向け高層マンションで、慎重に報道陣を避けつつ母親と暮らしているペレルマン氏は、自分たちソビエト連邦時代の学生は、非常に幼い時から抽象的な言葉で考える方法を学ぶことによって、優れた能力を開発した、と語った。「赤ん坊は、生まれた直後から経験を積み始める。腕や足を鍛えられるなら、頭脳だって鍛えられないわけがない」

 ペレルマン氏は、小学校のクラスで「解けない問題」に出会ったことはなかったそうだ。ところがあるとき、聖書の中の逸話でキリストが水の上を歩くことが出来たのはなぜかと問われ、答えに窮したという。「沈まずに水の上を徒歩で渡るためには、どの程度の速度で歩かなければならないか、解決しなくてはならなくなったんだ」

 その謎を解くことはできたのだろうか?インタビュアーに尋ねられたペレルマン氏は、「(聖書の)伝説が現在も言い伝えられているということは、それはわたしが間違っていなかったということだ」と答えた。

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数学の「ポアンカレ予想」を理解するための,動画・原論文・読み物・PDFのまとめ (ポアンカレからペレルマンまでの流れ)

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以下の本で「ポアンカレ予想」の証明の理解に挑戦!

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リッチフローと幾何化予想 (数理物理シリーズ) 単行本 – 2011/6/1 小林 亮一 (著) (ポアンカレ予想へ)

リッチフローと幾何化予想 (ポアンカレ予想へ) 数理物理シリーズ 小林 亮一/著


内容説明
本書は、1970年代後半にサーストンにより予想された3次元閉多様体の幾何化が、ハミルトンとペレルマンによっていかに解決されたのか、解決に至るその議論の全容を紹介した書である。リッチフローの基礎理論からはじめて、Wエントロピー、簡約体積関数とその応用について述べる基礎編Part 1と、予想がいかに解決されるかについて述べる解決編Part 2から構成されている。初めて学ぶ読者を対象に、豊富な概念図とともに、懇切丁寧に解説する。
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記法・公式・定理のまとめ
0.オーバービュー
0.1 幾何化予想
0.2 ハミルトンプログラム
0.3 ペレルマンによるリッチフローへのアプローチ
Part Ⅰ リッチフローの基礎理論・Wエントロピー・簡約体積関数とその応用
1.リッチフローの基礎事項
1.1 リッチフローの定義
1.2 短時間存在と一意性
1.3 リッチソリトン
1.4 共役熱作用素とリッチフローの特徴づけ
1.5 曲率テンソルの時間発展
1.6 最大値原理
2.テンソルに対する最大値原理と3次元リッチフローのピンチング
2.1 テンソルに対する最大値原理
2.2 非負リッチ曲率は3次元完備曲率有界なリッチフローで保たれる
2.3 正のリッチ曲率をもつ3次元多様体のピンチング
2.4 3次元閉多様体上のリッチフローのピンチングに関するハミルトン・アイビーの定理
3.リッチフローの曲率の局所勾配評価とリッチフローの列の幾何収束
3.1 シィの局所勾配評価
3.2 リッチフローの列の幾何収束
4.リッチフローの勾配流解釈とその応用
4.1 リッチフローの勾配流解釈とブリーザー解の非存在
4.2 非局所崩壊定理
4.3 統計的解釈
5.リーマン幾何的熱浴.L幾何.ハルナック不等式
5.1 リーマン幾何的熱浴
5.2 ペレルマンのL幾何とハミルトンのハルナック不等式
6.伝播型非局所崩壊定理.微分形の単調性公式.擬局所性定理
6.1 リッチフローのもとでの距離関数の変化
6.2 非局所崩壊定理4.2.4の弱形の別証明
6.3 伝播型非局所崩壊定理
6.4 単調性公式の局所化とその応用
6.5 W汎関数と共役熱方程式の基本解によるリッチフローの弱い意味での特徴づけ
7.κ解−非負曲率作用素をもちκ非崩壊な古代解
7.1 κ解の漸近ソリトン
7.2 漸近スカラー曲率比と漸近体積比
8.3次元κ解
8.1 3次元κ解の集合のコンパクト性
8.2 3次元κ解の構造
9.3次元リッチフローの標準近傍定理
9.1 標準近傍定理
9.2 標準近傍定理の局所版と前方および後方曲率評価
Part Ⅱ 幾何化予想の解決
10.いろいろな定義・記号
11.3次元κ解の分類
11.1 漸近ソリトンの分類
11.2 κ解の分類
12.R3の標準解
12.1 標準帽化シリンダー計量
12.2 R3の標準解の性質
13.最初の特異時刻におけるリッチフロー解の構造
13.1 極限リーマン多様体
13.2 極限リーマン多様体の構造
14.カットオフつきリッチフロー
14.1 極限計量におけるε角部の長さ
14.2 カットオフつきリッチフローの定義
14.3 標準近傍半径とカットオフ半径
14.4 カットオフつきリッチフロー
15.カットオフつきリッチフローにおけるピンチング条件と標準近傍条件
15.1 カットオフつきリッチフローにおけるピンチング条件
15.2 カットオフつきリッチフローにおける標準近傍条件
16.カットオフつきリッチフローの長時間における振舞い(Ⅰ)
16.1 初期計量のスカラー曲率が非負の場合
16.2 スカラー曲率が負の領域がいつまでも残る場合
17.カットオフつきリッチフローの長時間における振舞い(Ⅱ)
17.1 双曲計量への収束
17.2 広部−狭部分解
17.3 体積有限完備双曲多様体の剛性と広部の安定性
17.4 広部の境界に現れるトーラスの非圧縮性
17.5 グラフ多様体
18.カットオフつきリッチフローにおける作用素−4Δ+Rの第1固有値
18.1 カットオフつきリッチフローの作用素−4Δ+Rの第1固有値
18.2 スペクトル不変量と3次元閉多様体の位相型



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0.オーバービュー
0.1 幾何化予想/0.2 ハミルトンプログラム/0.3 ペレルマンによるリッチフローへのアプローチ
Part Ⅰ リッチフローの基礎理論・Wエントロピー・簡約体積関数とその応用
1.リッチフローの基礎事項
1.1 リッチフローの定義/1.2 短時間存在と一意性/1.3 リッチソリトン/1.4 共役熱作用素とリッチフローの特徴づけ/1.5 曲率テンソルの時間発展/1.6 最大値原理
2.テンソルに対する最大値原理と3次元リッチフローのピンチング
2.1 テンソルに対する最大値原理/2.2 非負リッチ曲率は3次元完備曲率有界なリッチフローで保たれる/2.3 正のリッチ曲率をもつ3次元多様体のピンチング/2.4 3次元閉多様体上のリッチフローのピンチングに関するハミルトン・アイビーの定理
3.リッチフローの曲率の局所勾配評価とリッチフローの列の幾何収束
3.1 シィの局所勾配評価/3.2 リッチフローの列の幾何収束
4.リッチフローの勾配流解釈とその応用
4.1 リッチフローの勾配流解釈とブリーザー解の非存在/4.2 非局所崩壊定理/4.3 統計的解釈
5.リーマン幾何的熱浴.L幾何.ハルナック不等式
5.1 リーマン幾何的熱浴/5.2 ペレルマンのL幾何とハミルトンのハルナック不等式
6.伝播型非局所崩壊定理.微分形の単調性公式.擬局所性定理
6.1 リッチフローのもとでの距離関数の変化/6.2 非局所崩壊定理4.2.4の弱形の別証明/6.3 伝播型非局所崩壊定理/6.4 単調性公式の局所化とその応用/6.5 W汎関数と共役熱方程式の基本解によるリッチフローの弱い意味での特徴づけ
7.κ解-非負曲率作用素をもちκ非崩壊な古代解
7.1 κ解の漸近ソリトン/7.2 漸近スカラー曲率比と漸近体積比
8.3次元κ解
8.1 3次元κ解の集合のコンパクト性/8.2 3次元κ解の構造
9.3次元リッチフローの標準近傍定理
9.1 標準近傍定理/9.2 標準近傍定理の局所版と前方および後方曲率評価
Part Ⅱ 幾何化予想の解決
10.いろいろな定義・記号
11.3次元κ解の分類
11.1 漸近ソリトンの分類/11.2 κ解の分類
12.R[3]の標準解
12.1 標準帽化シリンダー計量/12.2 R[3]の標準解の性質
13.最初の特異時刻におけるリッチフロー解の構造
13.1 極限リーマン多様体/13.2 極限リーマン多様体の構造
14.カットオフつきリッチフロー
14.1 極限計量におけるε角部の長さ/14.2 カットオフつきリッチフローの定義/14.3 標準近傍半径とカットオフ半径/14.4 カットオフつきリッチフロー
15.カットオフつきリッチフローにおけるピンチング条件と標準近傍条件
15.1 カットオフつきリッチフローにおけるピンチング条件/15.2 カットオフつきリッチフローにおける標準近傍条件
16.カットオフつきリッチフローの長時間における振舞い(Ⅰ)
16.1 初期計量のスカラー曲率が非負の場合/16.2 スカラー曲率が負の領域がいつまでも残る場合
17.カットオフつきリッチフローの長時間における振舞い(Ⅱ)
17.1 双曲計量への収束/17.2 広部-狭部分解/17.3 体積有限完備双曲多様体の剛性と広部の安定性/17.4 広部の境界に現れるトーラスの非圧縮性/17.5 グラフ多様体
18.カットオフつきリッチフローにおける作用素-4Δ+Rの第1固有値
18.1 カットオフつきリッチフローの作用素-4Δ+Rの第1固有値/18.2 スペクトル不変量と3次元閉多様体の位相型


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「n 次元球面 Sn にホモトピー同値な閉多様体は Sn に同相であろう」という n 次元ポア ンカレ予想は,歴史的には n  5 のときスメイル, n = 4 のときフリードマンによって 肯定的に解決されました.n = 3 の場合には 1970 年代後半になって,サーストンが幾 何化という新たな概念を導入することにより「3 次元閉多様体は 8 種類の幾何構造を もつピースに標準的に分解されるであろう」という幾何化予想を提唱し,3 次元ポア ンカレ予想をも包摂する新たな枠組みが提出されました.さらに 2003 年ころにペレ ルマンは,ハミルトンによるリッチフローの研究をさらに発展させる形で,このサー ストンの幾何化予想を解決し,その系として 3 次元ポアンカレ予想を肯定的に解決し ました:
[P1] G.Perelman, The entropy formula for the Ricci flow and its geometric applications, arXiv: math/0211159.
[P2] –––– , Ricci flow with surgery on three-manifolds, arXiv: math/0303109.
[P3] –––– , Finite extinction time for the solution to the Ricci flow on certain three manifolds, arXiv: math/0307245.
本書は,上記3編の論文とクライナー・ロットによる記事 B.Kleiner & J.Lot, Notes on Perelman, arXiv: math/0605667 を参考に,ペレルマンによる幾何化予想解決の詳細を 丁寧に解説したものです.内容的には,リッチフローの基礎理論から始めて幾何化予 想の解決に至るまで,研究者を志す大学院生やある程度の予備知識をもつ数学者を念 頭に書かれたハイレベルのテキストで,本書のあちこちに著者の創意と工夫が垣間見 えます.序文で著者も強調しているように,上記3編の原論文を手元におき比較対照 しながら本書を読むことが最もお勧めです.以下ではその内容を詳しく見ていこうと 思います.
第0章で,サーストンの幾何化予想,ハミルトンによるリッチフローの研究,さらに はペレルマンのアプローチを俯瞰したあと,Part I(第1章から9章まで)では,ハミルトン・ペレルマンによるリッチフローの方法の全容が明かされます.さらに Part II(第10章から18章まで)では,Part I で準備した種々の道具が幾何化予想をい かに解決に導くかを詳細に述べています.
3次元リッチフローで初期計量を変形していくとき,有限時間 t = T で特異性が現れる とします.T に至る時刻の列{ti}を適当にとり,各時刻で曲率が大きい点を選んで曲率 の大きさを用いてリッチフロー解をリスケールした極限をハミルトンは考察しました. (このようなリスケール解の列の極限では,定義される時間区間が無限大に伸びる可 能性があり,過去に無限に伸びた時間区間(,T]で定義されたリッチフロー解は古代 解とよばれています.)彼はハルナック不等式に基づいて,特異点が現れる直前の曲率 が大きい点の近傍は標準的な構造を持つことを予想したのですが,さらに特異点に潰 れて行く部分の周辺を手術で切り離します.こうした操作の繰り返しにより,ハミル トンは手術つきリッチフローというものを考え,有限時間で解が消滅する場合を除け ば,リッチフローが時間無限大まで延長して最終的には標準的なものになることを予 想しました.
リスケール解の列の収束を示すには,コンパクト性定理 R.S.Hamilton, A compactness property for solutions of the Ricci flow, Amer.J.Math., 117 (1995), 545—572, を用いる ため,単射半径の下からの評価と曲率の一様有界性が必要となります.この困難性を 解決したのがペレルマンの局所非崩壊定理(第4章)やその伝播型(第6章)ですが, 彼はこれらを示す過程で W エントロピー(第4章)や L 幾何(第5章)などの重要な 概念を導入しました.さらにリッチフロー解の特異点の解析は,非負曲率作用素をも ち非崩壊な古代解である解の構造を理解することに帰着され(第7章),ペレルマン による3次元解の構造定理(第8章)やその分類(第11章)が基本的役割を果たし ます.一方,特異点が現れる直前での曲率が大きい点の近傍は標準的な構造を持つ(あ る解の対応する部分集合によって近似される)というペレルマンによる3次元リッ チフローの標準近傍定理(第9章)も問題解決の重要な鍵でした. 第12章及び第13章は手術つきリッチフローに必要な基礎的事項の説明にあてられ, 第14章及び第15章では「ピンチング条件」や「標準近傍条件」をみたす手術つき リッチフローとして,カットオフつきリッチフローという概念が定式化されます.リ ッチフローを走らせた場合に,特異点が生じるごとに標準的な方法で手術を行うこと により,カットオフつきリッチフロー解が(消滅しない限り)時間無限大まで延長し ます.そして第16章と第17章で,カットオフつきリッチフロー解の長時間におけ る振舞いを調べることで,幾何化予想の肯定的解決が得られます(定理 17.5.9):
すなわち,任意の3次元閉多様体 M 上に初期計量を与えてカットオフつきリッチフロ ーを走らせると,以下の2つの場合が起こります.

(Case 1) 有限時間ですべての連結成分のスカラー曲率が非負に成る場合;
(Case 2) スカラー曲率が負の領域がいつまでも残る場合.
上の Case 1 の場合には,スカラー曲率が零になる連結成分と,スカラー曲率がどこか で正になる連結成分の連結和になりますが,後者の連結成分上ではカットオフつきリ ッチフローの生存時間は有限となります.この場合は M はいくつかの平坦閉多様体, いくつかの S1 S2 と,いくつかの標準球面 S3 の計量商の連結和に微分同相となります. 一方 Case 2 の場合には,カットオフつきリッチフローは時間無限大まで延長され,M には広部-狭部分解がおこり,狭部(体積崩壊する部分)はグラフ多様体に微分同相で す.([P2] 及び 塩谷-山口:Volume collapsed three-manifolds with a lower curvature bound, Math.Ann. 333 (2005), 131—155 参照.) 一方広部は,適当なスケーリングの後,い くつかの閉双曲多様体または体積有限完備双曲多様体(のカスプを切り落としたもの) に点つき幾何収束します.そして M は狭部と広部を非圧縮的トーラスに沿って貼り合 わせたものに微分同相となります. ただしカットオフつきリッチフローにおいて手術は有限時間では高々有限回であるが, 時間大域的には狭部において手術が無限回起きている可能性を排除できない.このよ うな状況であっても,トポロジー的に意味のある連結和分解は有限回で終了していて, 幾何化予想の結論には影響しません(注意 17.5.8;J.W.Morgan & G.Tian, Completion of the proof of the Geometrization Conjecture, arXiv: math/0809.4040).
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